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月面反射通信システムの開発


 現在、未来産業学部の佐鳥研究室では超小型人工衛星HSU-SAT1号機の開発と並行して月面反射通信(Earth-Moon-Earth:EME)の研究を進めています。この無線通信は地球の無線局から月面に向けて電波を発射し、月面で反射した電波を利用して行う通信です。

アドバンストコース
  2年(当時) 神澤さん

学生へのインタビュー

どんなプロジェクトですか?

 HSU宇宙産業プロジェクトにおける大きな目標である月面探査の足掛かりとして月面反射通信を実施します。月面に着陸した探査機と地球の無線局間通信は往復約70万㎞に及び、所要時間は約2.5秒に達するため、基礎研究として月面反射通信による技術的検証を行います。
 月面反射通信はアマチュア無線によって行われます。アマチュア無線とは趣味で行われる無線通信のことで、資格を保有し無線局を開局することで日本国内のみならず世界中のアマチュア無線家と無線通信を楽しむことができるものです。 
 HSUでは「HSU長生アマチュア無線クラブ」という名前で2019年4月に開局し、月面反射通信とは異なる方法ですが、北は北海道、南は四国の愛媛県まで無線通信を成功しています(2020年2月現在)。この通信に用いたアンテナは地域のアマチュア無線家が教えて下さった方法で自作したものです。
 この様に実際に無線通信を行い、交信を楽しみながら無線工学を学んでいくことができるため、無線工学の入門として学生にはとても適していると思います。 本研究を通じて無線工学の幅広い科学的な知識だけでなく、実際にアンテナを製作や修理を行うことで実学が身につきました。それから無線通信というインフラ技術が世の中でどのように人々の生活を支えているか学んだことで、今までと異なる視点で社会が見えるようになりました。
 今後は蓄積した知識と技術を活かして月面反射通信を実施し、月面探査に向けた宇宙通信の技術蓄積を進めて参ります。加えて海外のアマチュア無線家と通信が可能となるので、技術的な情報交流だけでなくHSUのPRも行っていきたいです。

研究に参加した理由は何ですか?

 昔から宇宙に興味があり、図鑑や映画を見ながら人類が宇宙に進出していく未来に強い憧れを持っていました。HSU未来産業学部の3年生になった時にHSU宇宙産業プロジェクトが発足することを知り、本研究に参加させていただきました。

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